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絵が大好き!藝大ってどんなところ?美術大学受験がわかる『ブルーピリオド』山口つばさ著

    
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絵が大好き!藝大ってどんなところ?美術大学受験がわかる『ブルーピリオド』...

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私は美術と深く関わって仕事をしてきました。

知り合ったアーティストは、美大出身者の方も多く、とてもユニークな方ばかり…。

美大ってどうだったのかを数名のアーティストの方に聞いても、

「誰でも入れるよ」

と、具体的にはどんな試験を受けるのかは謎でした。

この漫画を読んで、こんなに美大受験が大変だったとは知りませんでした。

好きだから、苦にならなかったからこそ、言えた、

「誰でも入れるよ」

『ブルーピリオド』のあらすじ


成績優秀でスクールカースト上位の高校生・矢口八虎(やぐちやとら)は、一枚の絵に心を動かされます。
その絵の出会いをきっかけに、何をやっても虚しさを感じていた主人公が初めて絵を描くことの素晴らしさを知り、美術大学を目指すことに。
美術のノウハウや、美術大学受験情報など、美術ネタ満載の漫画です。
好きなことで、自分の未来を目指す、スポ根美術大学受験で胸が熱くなります。
2017年6月から講談社の月刊アフタヌーンに連載中。

作者の山口つばささんはどんなひと

作者の山口つばささんは、顔出しNGなので、どんな方なのかわかりません。

東京都出身。東京藝術大学絵画科油画専攻卒業後、アフタヌーン四季賞2014年夏のコンテストで佳作受賞。2016年に新海誠監督の作品『彼女と彼女の猫』のコミカライズでデビュー。2017年6月から「月刊アフタヌーン」で『ブルーピリオド』を連載中。

出典:藝大人たち第五回

こちらの経歴は、藝大の公式サイトの中の

藝大人げいだいびとたち」

によるものです。

藝大びととは、藝大出身者の著名人に現役の学生が質問をし、対話の中から芸術と教育の接点を探るインタビューです。

作者が藝大出身だからこそ、藝大の方の絵も漫画の中にたくさん出てきます。

生活に苦しいアーティストをたくさん見てきた

私の学生の頃は、美大を目指す人は学校の絵画コンクールでいつも1番をとる人でした。

好きだから美大を選ぶことはなく、技術がある人が美大に進学していた気がします。

ただの好きならば、大学は芸術系ではなく、文系や理系に行って、絵は趣味にする人が多かったのです。

その理由は、絵で食べていけるなんて思いもしなかったから…

実際、学芸員時代に知り合ったアーティストの方は、たとえ藝大を出ていても、アートで食べていける人は少なく、生活に苦しい人が多かったのです。

アーティストは留学経験者も多く、その場合ほとんど食べられず、パンの耳を無料でもらって食べていたとか、光熱費が払えないので暖房できず、ワインの瓶にお湯をいれて、寒さをしのいでいたということも聞いたことがありました。

私も、高校生のときに、美術の先生(藝大卒)に美大に行きたいと相談したら、「貧乏に耐えられますか?」と、聞かれやめました。

そして、学芸員という職業を先生から教えてもらいました。つまり、私の好きはその程度のことだったのですね。

実際に、藝大をトップで出ても、食べていける人はわずかだし、将来はまったく約束されていません。

私が美術館学芸員になって出会ったアーティストは、それでも、その道を選んでよかったという人ばかりでした。そのような人でなければ、アートの道には進みことはできないのだと後になって思いました。

主人公も美術大学進学を悩んだ

主人公の八虎(やとら)も、その点ではとても悩んでいました。

美術部でいちばん絵がうまく、八虎の心をゆさぶる絵を制作した先輩も、美大受験専門学校では下から5番目。

アートの厳しさを知ることとなるのですが、それでも熱い気持ちを抑えられず、美大受験に挑戦することとなります。

難関大学合格間違いなしと言われ、周りからも難関大学を受験するだろうと思われ、親にも美大に進学したいとなかなか言い出せずに悩み、美術部の先生に相談しているシーンが私の心を震えさせました。

その美術部の先生の言葉に私は心を打たれました。

どうして、普通の大学なら食べていける保証があるでしょうか?

今は東大生も就職が難しいと言われる時代ですよね?なら一芸持っている芸大生はある意味有利かもしれませんよ。

「好きなことは趣味でいい」。これは大人の発想だと思いますよ。

頑張れない子は好きなことがない子でしたよ。

好きなことをする努力家はね、最強なんですよ!

「ブルーピリオド」第1巻美術顧問の佐伯先生の言葉

私に足りなかったのはこれだと思い知りました。

もし、子供が本当に絵を描くことが好きならば、好きな道に進ませようと強く思った言葉でした。

子供には絶対後悔させたくないと思ったのです。

なぜなら、私は、今、後悔して、人生をやり直しているから。

なぜなら、私は、今、後悔して、人生をやり直しているから。

『ブルーピリオド』は美大受験者の情報を網羅

作者が藝大出身者ということもあり、この漫画には、

  • 美術大学の種類
  • 受験がどのように行われるのか
  • 合格するポイントは何か
  • 費用はどのくらいかかるのか
  • 予備校ではどんなことを学ぶのか

などの美術大学受験情報が網羅されています。

だから、美大の進学を漠然と考えている場合、より具体的にイメージできるようになるので、夢に近づける気がしました。

藝大ってどういうところか知りたかったら

そんなに魅力的な藝大っていったいどんなところなんでしょうか?

気になったら、藝大に触れることのできる3つの方法があります。

東京藝術大学美術館

藝大付属の美術館に行って、卒業者のアートを見るといいです。

実は、宝の宝庫です。教科書で見たことのあるたくさんの絵画が収集されています。

歴史や美術の教科書に載っているあの絵も、じかに見ることができます。

藝大文化祭に行ってみる

毎年、夏の終わりに開催されます。

3日間の開催ですが、詳しくは、毎年専用サイトが立ち上げられます。

2019年は9月6日から8日まで、9時から20時まで、大学と上野公園、上野商店街とだいたい的に開催されました。

藝大公開講座を受けてみる

藝大では公開講座も開催されていて、誰でも受講することができます。

デッサン、絵画、彫刻、版画、楽器演奏、歌、ダンス、デジタルコンテンツなど多彩な講座が準備されています。

もちろん、藝大の教授に学ぶことができるのです。

サマースクールには中高生が学ぶ油絵講座もあり、本格的にヌードモデルをデッサンし、藝大生が使用する画材を使って絵画を仕上げます。

この講座を目的に地方から参加の学生も多い大人気の講座です。

この講座にうちの子供は2回参加したことがあります。

漫画の中に、藝大の三次試験のシーンがあるけれど、あんな感じでサマースクールもヌードモデルを見て、テーマを考えて、油絵を描いたので、知らないうちに藝大の体感できていたんだと思うと、うれしくなったと教えてくれました。

中学生と高校生の時に参加して、藝大生の雰囲気を味わうことができました。本当は毎年参加したかったのですが、コロナ禍でイベントが中止になり、2回のみの参加しかできなかったのが残念でなりません。

藝大で絵をどんなふうに学ぶのかを体感したい場合は、この公開講座がおすすめです。

まとめ

学芸員として出会ったアーティストの多くは、美術大学出身者でした。

アーティストとして生きていける人の多くは、本当に絵が好きだからという気持ちが強い人でした。

絵をうまく描きたい < 絵で〇〇を伝えたい

「ブルーピリオド」を読むとその重要性がよくわかります。

実際に2024年に娘は美大受験しましたが、一次試験で敗退。ただいま一浪中です。

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