伸びる投稿は色で決まる!色彩のプロが教える色彩心理テクニック
普段何気なく選んでいる、服の色や部屋のインテリアカラー。実は、それらの色が私たちの気分や行動に大きな影響を与えているということをご存じですか?
このブログでは、色彩心理学の基本から色が持つ効果を使って、SNSの投稿でエンゲージメントを上げるための実践的なヒントをお伝えします。
ぜひ、皆さんのマーケティングにお役立てください。
この記事を書いた人は…
鈴木 ミキ
イメージコンサルタント
16年間にわたりIT業界でシステムエンジニアや技術営業として活躍。色彩への情熱から日本カラーコミュニケーション協会でパーソナルカラーとスタイリングを学び、カラースクール卒業後は日本メイクアップ協会認定講師に師事。個性を活かすメイク技術が好評で、トータルイメージアップスタジオ「inConcept」を設立。個人コンサルやスクールを開講し、1000名以上の個人コンサル実績を持つ。プライベートでは夫と中学生の息子と3人家族。中日ドラゴンズや地元サッカーチームを応援し、サウナ、お酒、筋トレを楽しむ。JCCA協会認定校講師、AFT色彩検定1級、JMAメイク検定1級保持。
色彩心理の基本!色がもたらす効果とその理由
「色彩心理学」という言葉を聞いたことがありますか?
色彩心理学とは、色が人間の感情や行動に与える影響を研究する学問です。海外でも多くの研究者がこの分野で研究論文を発表しています。
色は視覚的な要素としてだけでなく、心理的な影響力も持っており、多くの研究で特定の色が特定の感情や行動を引き起こすことが示されています。
例えば、赤は警告や危険を示す一方で、愛や情熱を象徴します。青は信頼や冷静さを表現し、緑は成長や調和、自然とのつながりを示します。
このような色彩の特性を理解し、発信に活用することで、視覚的なメッセージを強化してより効果的なメッセージを発信することができるのです!
以下に代表的な色とその特性をご紹介します。
赤(興奮と情熱)
赤は人間の視覚システムに強い刺激を与え、心拍数や血圧を上昇させることが知られています。
これは、赤が警戒や緊急を示す色として進化的に認識されているからです。また、暖色系の色であるため、温かみや情熱を感じさせます。
広告やマーケティングで赤がよく使われるのは、この色が視覚的に強いインパクトを与え、行動を促進する効果があるからです。企業のロゴにもよく使われる色で、そういえばPinterestのロゴも赤ですね!
青(信頼と冷静さ)
青は副交感神経を刺激し、心を落ち着かせる効果があります。冷たい色調であるため、冷静さや信頼感を自然に引き出します。銀行や企業のロゴによく使われるのは、この色が安心感と信頼性を与えるからです。
さらに、青はストレスを軽減し、リラックス効果があるとされています。そのため、病院やクリニックのデザインにも青がよく取り入れられています。
黄(喜びと注意)
黄色は最も明るく、視覚的に目立つ色の一つであり、注意を引く効果があります。これは、自然界で黄色が熟した果実や警告サインとして目立つことから来ています。このため、警告色としても使われることがあり、注意を引く役割も果たします。
また、太陽の光を連想させるため、元気や希望を与える効果があります。黄色の適度な使用は、ポジティブなメッセージを伝えるのに適しています。
緑(成長と調和)
緑は自然界に多く存在するため、人間の目に最もリラックス効果がある色とされています。
また、緑は植物の成長や新鮮さを連想させるため、成長や調和の象徴となります。
エコロジーや健康関連の商品に緑が使われることが多いのは、この色が健康や新鮮さを連想させるからです。
橙(活力と親しみ)
オレンジは赤の情熱と黄色の明るさを兼ね備えた色であり、元気で楽しい印象を与えます。
また、暖色系の色であるため、暖かさやフレンドリーさを感じさせます。
食品や飲料のパッケージに多く使われているのは、この色が食欲を刺激し、楽しい気分を引き出すからです。コミュニケーションを促進する効果もあります。
ピンク(優しさと愛)
ピンクは赤に白を混ぜた色であり、情熱と純粋さの象徴です。柔らかく穏やかな印象を与え、心を和ませる効果があります。
愛情や親しみを表現する場面でよく使われ、特に美容やファッション業界で人気のある色です。
黒(権威と洗練)
黒は光を全く反射しないため、重厚感や深みを感じさせます。この特性が、権威や力強さを象徴する理由の一つです。
また、スタイリッシュでモダンな印象を与えるため、ファッションや高級ブランドに好まれて使用されます。
多くの高級車のブランドも、黒をメインカラーとして採用しています。さらに、黒は他の色と対比させることで、その色の鮮やかさを際立たせる効果もあります。例えば、Appleのロゴは黒を基調とし、シンプルながらも洗練されたデザインで知られています。
これらの色の特性を理解したところで、次に注目度を上げるための色のコントラストについて見ていきましょう!
視覚的インパクトを強化する色のコントラストの使い方
デザインをするうえで、重要な「デザインの4つの基本原則」というものがあります。
デザインの基本原則とは? ①コントラスト ②反復 ③整列 ④近接 |
このうち、最も色に関係があるものが①のコントラストです。
コントラストとは、異なる色や明暗の対比を利用して視覚的な注目を集める手法です。強いコントラストは視覚的な興味を引き、重要な情報を強調するのに役立ちます。
コントラストをうまく使うことで、色同士の強さを引き出すだけでなく、投稿の視認性(見やすさ)を向上させ、ユーザーの目に留まりやすい投稿で関心を引きつけることができます。
しかし、「たくさんの色の組み合わせの中から効果的なコントラストを作る方法がわからない!」という方もいらっしゃると思います。そんな方のために、すぐに真似できる素敵なコントラストの例をご紹介しますね!
無彩色同士の真逆な色
最も基本的なコントラストの例です。白と黒の組み合わせは、非常に高いコントラストを生み出し、どんな場面でも視認性が抜群です。
補色の関係
色相環で真反対に位置する色の組み合わせです。このコントラストは、視覚的な引き締まりを与え、鮮やかで印象的な印象を作り出します。
暗色と明色のコントラスト
ネイビーの深い色合いと白の明るさが、上品で洗練された印象を与えます。この配色は、フォーマルな場面でもよく使われます。
高彩度で補色関係にある色の組み合わせは、目がチカチカする現象(ハレーション)を引き起こすことがあります。
こうした場合、どちらかの色の彩度を下げたり、明度を上げたりすることで、視覚的なバランスを取ることができます。いくつかの具体例を挙げてみます。
高明度×高彩度
高明度×高彩度の配色を使った場合の効果的なコントラストの例です。どちらの組み合わせも視覚的に魅力的でありながら、読みやすさを確保しています。
高明度×低彩度
高明度×低彩度の配色を使った場合の効果的なコントラストの例です。どちらの組み合わせも、視認性が高く、落ち着いた雰囲気を保ちながらも視覚的に魅力的な配色を提供しています。
無彩色を挟む
白を間に挟むことで、鮮やかな色同士が互いに競合することなく、視認性が高まり、目に優しいデザインが実現できます。これにより、強いインパクトを保ちつつ、読みやすさを確保することが可能です。
これらの例を参考にして、ぜひ投稿にも取り入れてみてください。視認性が向上し、ユーザーの目を引きやすい、魅力的な投稿を作成することができるでしょう。
個性と一貫性を生み出すブランドカラーの選び方
ここまで、色がもたらす効果とコントラストについて解説してきました。次に、色の選び方が企業や個人ブランドにどのように影響を与えるかについて解説します。
まず「ブランドカラー」というものについてご紹介します。ブランドカラーとは、企業や個人ブランドがブランドのイメージを表現するために選ぶ特定の色や色の組み合わせのことを指します。
ブランドカラーは、ブランドの価値やメッセージを視覚的に表現するための重要な要素であり、ロゴ、ウェブサイト、広告、製品パッケージなど、あらゆるブランドの発信活動に使用されます。
例えば、スターバックスの緑のセイレーンのマークや、コカ・コーラの鮮やかな赤と白のロゴ、ティファニーのティファニーブルーのボックスがすぐに思い浮かぶでしょう。
このように、ブランドカラーは一目でそのブランドを連想させる役割を果たします。自分を強く印象付けたいときは、ぜひ自分のブランドカラーを作ってみてください!
ただし、ブランドカラーを選ぶ際には注意点が1つあります。それは、企業の価値観やメッセージを反映した色を選ぶことです。それでは、ブランドカラーを選ぶ際のポイントを3つご紹介します。
- ブランドの個性と色が持つ特性が一致していること
ブランドの価値観やメッセージが色の持つ特性と一致していることが重要です。例えば、環境保護に力を入れているブランドなら緑を選ぶことで、自然や成長、調和を象徴することができます。
- ターゲットに合わせた色であること
ターゲット層にアピールする色を選ぶことが重要です。例えば、若い女性をターゲットにするなら、柔らかいピンクやパステルカラー、またはニュアンスカラーが好まれる傾向があります。
- 競合との差別化が図れること
ブランドカラーは、競合他社と差別化を図るためにも重要です。同じ業界内で類似した色を使うと、ブランドの認識が曖昧になることがあります。競合と異なる色を選ぶことで、視覚的に際立ち、消費者の記憶に残りやすくなります。例えば、赤を多用する飲料業界であえて緑や青を選ぶことで、他ブランドとの差別化を図りやすくなります。
これらのポイントを押さえてブランドカラーを選ぶことで、視覚的なメッセージが強くなり、より効果的なマーケティングができるようになります。
ブランドカラーは単なる色ではなく、企業や個人の魅力や価値観を表現する大切な手段です。適切な色を選ぶことで、ブランドの魅力を引き出し、消費者に強い印象を与えることができるでしょう!
あなたが提供したいサービスの色は何色でしょうか?
絶対に取り入れてほしい!色彩のトレンドと最新の配色
最後に、色彩のトレンドをSNSの投稿に取り入れることで得られるメリットについてお伝えします。
色にもトレンドがあります。色彩のトレンドをSNSの投稿に取り入れることでいくつかのメリットが得られますので、積極的に取り入れてみましょう。
トレンドカラーは季節やその年ごとに決められていることが多いですが、その中でも一番有名なのがパントーン(Pantone) です。
Pantoneは毎年次の年の代表色を発表し、それが多くのデザインやファッションに影響を与えます。Pantoneの発表するカラーは、様々なデザイン分野において重要な指針となり、SNS投稿においてもその影響は大きいです。
最新の色彩トレンドを取り入れることで、トレンドに敏感なフォロワーの心をつかむことができます。特に、ファッションやデザインに興味があるユーザーは、トレンドカラーに注目していることが多く、そうしたユーザーに向けて投稿することで、エンゲージメントの向上が期待できます。
SNSプラットフォームのアルゴリズムは、トレンドに関連した投稿を優先して表示する傾向があります。トレンドカラーを取り入れることで、投稿がアルゴリズムによって多くのユーザーに表示されやすくなり、新規フォロワーの獲得やエンゲージメントの向上が期待できます。
色彩のトレンドをSNSの投稿に取り入れることで、あなたのコンテンツはより注目を集め、エンゲージメントが向上すること間違いなしです。ぜひ、最新のトレンドカラーを活用して、魅力的なSNS投稿を作成してみてください。
まとめ
いかがでしたか?このブログでは、色彩心理学の基本から、視覚的インパクトを強化するコントラストの使い方、そしてブランドカラーの選び方や色彩トレンドの活用法について詳しく解説しました。
色彩は視覚的な要素だけでなく、心理的な影響力も持っています。
色をうまく活用することで、投稿がより魅力的になり、フォロワーとのつながりを深め、エンゲージメントを高めることができます。
これらの色彩テクニックを活用して、ぜひあなたのSNSマーケティングをさらに効果的なものにしてください!
この記事を書いた人は…
鈴木 ミキ
イメージコンサルタント
16年間にわたりIT業界でシステムエンジニアや技術営業として活躍。色彩への情熱から日本カラーコミュニケーション協会でパーソナルカラーとスタイリングを学び、カラースクール卒業後は日本メイクアップ協会認定講師に師事。個性を活かすメイク技術が好評で、トータルイメージアップスタジオ「inConcept」を設立。個人コンサルやスクールを開講し、1000名以上の個人コンサル実績を持つ。プライベートでは夫と中学生の息子と3人家族。中日ドラゴンズや地元サッカーチームを応援し、サウナ、お酒、筋トレを楽しむ。JCCA協会認定校講師、AFT色彩検定1級、JMAメイク検定1級保持。
ピンタレストに役立つ画像作りのポイント