AI時代だからこそ知っておきたいビジュアルマーケティングとは?
この記事では「AIの発展が凄まじい今だからこそ、知っておきたいビジュアルマーケティングの効果的な実践方法」についてお伝えします。
もし、あなたが
そもそも、マーケティングがよく分からない。
コンテンツに画像をうまく使って集客力を高めたい。
効果的な画像の使い方を知りたい。
と感じている場合は、是非最後までお読みください。
この記事を書いた人は…
岩下 知史(イワシタ トモフミ)
Webマーケッター/スモールビジネスコンサルタント/企業研修講師
会社員時代に躁鬱病を経験〜独立後は物販・コーチング・ライティングで売上1,000万〜2,500万円のスモールビジネスを複数立ち上げ。 これまで1,000人以上の起業家、個人事業主に研修・コーチング・コンサルティングを提供する。
現在は主にスモールビジネスにおけるマーケティングを専門とし、ブログ「看護師のためのスモールビジネス講座」を運営中。
WEBサイト→看護師のためのスモールビジネス講座
1. ビジュアルマーケティングの重要性
一般的に、人間は視覚から受ける情報が8割と言われています。
また、色彩心理学という分野においては、色が心理に与える影響について20年以上研究されています。
これらの理論には諸説あるのですが、実際に以下のような大手企業のロゴにも、色とイメージの相関関係があることが分かりますよね。
<企業のロゴと色の関係性>
赤 | エネルギー・情熱・行動(購買意欲)を促す効果 | Pinterest、コカ・コーラ、ユニクロ、Netflix など |
黄色・オレンジ | 温かい・親しみやすい・明るいといった希望を感じさせる効果 | マクドナルド、サブウェイ、吉野家、auなど |
青・緑 | 安定感・信頼・穏やか・平和といったリラックスを促す効果 | Facebook、Starbucks、伊藤園、ニトリなど |
また、InstagramのようなSNSが爆発的に流行ったのも、ビジュアルの重要性が高いことを示しています。
そのため、多くのマーケッターが、ビジュアルマーケティングを非常に重要だと考えています。
・・・ただし、だからといって適当に準備した画像では、マーケティングの効果は得られないでしょう。
私自身、とあるランディングページ(宣伝用のページ)において、適当なフリー画像を使った場合と、しっかり準備したオリジナル画像を使った場合で、結果が全く違うという経験を何度もしています。
興味深いことに、適当なフリー画像を使うと、成約率が落ちる傾向にあるのです(もちろん、逆のケースもあります)。
ビジュアルは、文字以上に記憶に残りやすいです。
だからこそ、せっかく良いセールスレターが書けたとしても、画像選びで手を抜いてしまうと全てを台無しにする恐れがあります。
ビジュアルマーケティングは、このような人間が視覚から得る情報に対する理解に基づいて戦略を立てることで、はじめて大きなマーケティング効果が得られると考えておきましょう。
2. ビジュアルコンテンツのメリット
ビジュアルコンテンツの最大のメリットは、その共有しやすさと、記憶への残りやすさでしょう。
また、視覚的に魅力的なコンテンツは、ブランドメッセージの理解と記憶を助け、結果としてエンゲージメントやコンバージョン率の向上につながります。
デメリットはある?
ビジュアルマーケティングには、ほぼデメリットはありませんが、あえて挙げるとすれば「準備に時間がかかること」です。
ある程度、組織でコンテンツマーケティングに取り掛かれる環境があれば良いのですが、個人でビジネスを行う場合には、画像を用意するのも一苦労ですよね。
ビジュアルにこだわるあまり、コンテンツ制作が遅れてしまっては意味がありません。
例えば、画像の制作は専門家に依頼するなど、生産性を優先する必要があります。
今後は、個人ビジネスオーナーにとって、そういった画像制作パートナーをどうやって見つけていくか?も重要な指針になりそうです。
もし個人で制作を行う場合には、いまや定番ツールとなっている「Canva」や「ChatGPT」のような生成AIをフル活用しましょう。
ちなみに、Canvaには自動動画作成機能がありますが、個人的にまだまだ使えるレベルでは無いと感じています。
OpenAIの動画生成AIである『Sora(ソラ)』が発表されたこともあり、今後の動画生成に期待したいところですね。(2024.2.22時点)
3. ビジュアルコンテンツの種類
一言でビジュアルコンテンツと言っても
- 画像
- 動画
- インフォグラフィック(図解)など
様々な種類があり、それぞれマーケティング戦略における役割が違います。
それぞれの役割は以下の通りです。
画像の役割
商品やサービスの特徴を、直感的に伝えることができます。
まだ商品が認知されていない段階で、見込み客を引き寄せるため(トップオブファネル)に活用すると効果的です。
あなたもSNSを見ている時、全く知らない人の投稿であっても、綺麗な画像が目に入ったら画面スクロールが一瞬止まるのではないでしょうか?
だからこそ、SNSでの画像投稿や、広告のクリエイティブとしてよく使われます。
動画の役割
視覚への刺激という意味では画像と同じように感じますが、マーケティングにおいては活用タイミングが異なります。
結論からお伝えすると、動画は顧客との関係性を深めるために使うと効果的です(エンゲージメントマーケティング)。
既に知っている知識を深めたい時などは、動画を見るケースが増えるからです。
正にYouTubeでは、知識を深めたい特定のジャンルを検索して見ることが多かったり、一度ハマった(関係性が作られた)クリエイターの動画は全て見たくなりますよね。
ちなみに、広告のデザインエディターを提供している「Confect」によると、動画広告は画像広告の、平均6倍のエンゲージメントを獲得できるそうです。
動画は、より深い情報提供など、複雑なメッセージを伝達するのに適しています。
マーケティングの手順としては、画像で顧客と知り合い、動画で仲良くなる・・・と、覚えておいてください。
インフォグラフィック(図解)の役割
インフォグラフィックとは、図やグラフなど、情報を分かりやすく視覚化したイメージのことです。
優秀なインフォグラフィック事例としては、こんなものがあります。
インバウンドマーケティングのソフトウェア開発を行う「HubSpot」は、インフォグラフィックのメリットについて、以下のように伝えています。
- インフォグラフィックや、イラストなどのオリジナルのグラフィックが最もパフォーマンスが高い。
- テキストとイラスト付きの方が、イラストなしよりも323%優れた成績を収めている。
ちなみに、ブログなどでよく見かける写真素材(イメージ写真)は、すべてのビジュアル形式の中で最もパフォーマンスが悪くなる、というデータもあります。
そのため、ブログなどではなるべく、インフォグラフィックを活用したいところです。
最近では、ココナラなどで「図解専門のクリエイター」も増えてきているので、制作依頼をするのも良いですね。
これらのビジュアルコンテンツは、ターゲットの注意を引き、関わりを深め、ブランド認知度を高めるために必要不可欠と言えるでしょう。
4. ビジュアルの効果的な使用方法
ビジュアルコンテンツを効果的に使用するには、ターゲットの年齢、性別、興味や趣味に応じて、色彩、デザイン、スタイルを選択することが重要です。
ただし、一概に「この年代はこの色とデザイン」と決めることが出来ないのが悩ましいところ・・・実際はテストを繰り返しながら、自分の商品とターゲットが反応しやすいパターンを見極める必要があります。
とはいえ、ある程度は性別・年代で好まれる配色を知っておくと便利なので、参考までにまとめておきます。
女性向けデザイン
- 色:柔らかなイメージの色、ピンクベース、緑ベースなど
- デザイン:曲線・丸みがある
- メッセージ:雰囲気・ビジュアル・ストーリー性重視
以下の画像は、Pinterestで「女性向け チラシデザイン」で検索した結果です。
やはり、ピンクベースの柔らかな配色で、丸みのあるデザインが多いですね。
男性向けデザイン
- 色:濃いグレー系、紺系、黒系
- デザイン:直線的・角張っている
- メッセージ:スペック、ステータス、上質さ重視
同じく、Pinterestで「男性向け チラシデザイン」で検索してみました。
グレー、紺、黒系が圧倒的に多く、フォントも角張っていて固いイメージです。
年代別の傾向は?
年代については、年を重ねるごとに
- 色:徐々に濃いめに、メリハリをつけると見やすい
- デザイン:シンプルさ・上品さが求められる
という傾向があります。
特に60代以降については、フォントサイズも大きめにするのが良いでしょう。
補足:ブログで使う画像について
サムネイルや記事中の画像など、ブログで画像を扱う場合は、SEOの一環として「E-E-A-T」を意識すべきでしょう。
<E-E-A-Tとは?>
GoogleがWebサイトの評価基準として定めたもの。
- 「Experience(経験)」
- 「Expertise(専門性)」
- 「Authoritativeness(権威性)」
- 「Trust(信頼)」
の4つの頭文字をとった言葉です。
中でも特に意識したいのが、「Experience(経験)」です。
生成AIの登場により、コンテンツ作成のハードルが下がっている昨今、AIが代用できない部分として、個人の経験がこれまで以上に重視されています。
そのため、ブログ内の画像についても、自分自身で撮影した写真(実際に会った人、行った場所、購入したものなど)を使うことで、独自性と共にSEOにも効果が望めます。
また生成AIを使って、独自の画像を作っても良いと思います。
このように、ビジュアルによって、ブランドイメージの一貫性を保つことで、信頼性と認知度を高めることができます。
5. ビジュアルマーケティングの5ステップ
ここまで、ビジュアルマーケティングの基礎や扱い方についてお伝えしてきました。
では、どうやってビジュアルコンテンツをマーケティングに落とし込めば良いのでしょうか?
今回は、ビジュアルマーケティングの進め方を「5ステップ」で解説しますので、最初はこの流れの通りに進めてみてください。
ステップ1: ターゲットの理解
何より、ターゲットを明らかにしないことには何も始まりません。
まずは、ターゲットを絞り込み、彼らのニーズを理解しましょう。
ターゲットの設定方法は様々あります。
- 自分の商品と、似ている商品を使っている人を選ぶ。
- アンケートやインタビューを行ってリサーチする。
- 複数の異なるターゲットにモニターを依頼する。
など、扱う商品やサービスによって異なりますが、いずれにしても、この段階でのリサーチは徹底しておくことをオススメします。
また、ビジネスの初期段階であればあるほど、ターゲットは絞り込んだ方が良いです。
まずは狭い範囲で成果を出し、目標の売上規模によって、徐々に広げていくと良いでしょう。
ターゲット設定は、魅力的なビジュアルコンテンツを作成する基盤となります。
ステップ2: 目的とメッセージの明確化
ターゲットを設定したら、キャンペーンやコンテンツの具体的な目的を設定します。
例えば
- ブランド認知度の向上を目指すのか?
- 製品の詳しい説明や紹介をしたいのか?
- またはサイトへのアクセスなど、トラフィック増加を目指すのか?
など、どうしたらキャンペーンが成功なのか?を明らかにしましょう。
メッセージも明確化しておく
また、ビジュアルを通じて伝えたい、ターゲットへのメッセージも明確にします。
このメッセージは、ターゲットが共感し、行動を促すものでなければなりません。
例えば、メッセージは以下のような種類に分けることができます。
- 具体性:ターゲットが理解しやすいように、具体的な情報を提供します。
- 感情的訴求:喜び、安心、興奮など、感情に訴えることで記憶に残りやすくします。
- 価値提案:製品やサービスの独自性や解決策を強調します。
- 行動喚起:具体的なアクション(購入、登録、シェアなど)を促す呼びかけをします。
<ブランド認知度向上が目的の場合>
ブランドのビジョン「より良い未来のために、持続可能な生活を提案します」など。
<製品紹介が目的の場合>
製品の独自性やメリット「わずか10分で簡単に組み立て可能な家具」など。
<トラフィックの増加が目的の場合>
特定のアクションへの呼びかけ「今すぐ登録して、特典を受け取ろう」など。
ビジュアルと共に、具体的な行動を促しましょう。
ステップ3: ビジュアル要素の選定
目的とメッセージを設定したら、具体的なビジュアル要素を選択します。
先ほどもお伝えした通り、まだターゲットとの関係性が無い場合は「画像」を、関係性を深めるためには「動画」の活用を意識しておきます。
その上で、画像なら写真なのか?イラストなのか?など、ブランドの一貫性を保ちながら選んでいきます。
ビジュアル選定でよくあるNG例
以下は、ビジュアルを選定する時にやってしまいがちなミスです。
1.関連性のない画像を使う
メッセージと直接関連しない画像を使用することは、混乱を招き、メッセージの効果を低下させます(あえて関連性の少ない、インパクトのある画像を使って注意を惹きつける方法もありますが、よほどの意図が無い限りオススメしません)。
2.品質が低い画像を使う
解像度が低い、ピントが合っていない、または明るさ・コントラストが不十分な画像は、プロフェッショナルさを損ないます。
3.カラーイメージが統一されていない
ブランドのカラーイメージと、あまりにかけ離れた色を使用すると、ターゲットに混乱を与える原因となります。
画像の一部にブランドカラーを入れるなどして、一貫性を意識しましょう。
4. 一般的すぎるイメージ画像
見るからに写真素材だと分かる写真の使用は、ターゲットに違和感を与えますので、使用する場合はテキストを追加するなど、ひと工夫しましょう。
5.いろいろな所で使われているイラストや写真を使う
最近非常に多いのですが、様々な企業広告やランディングページで、同一のモデルさんの写真が使われているのをよく見かけます。
見る人が見れば、明らかに写真素材だと分かりますので、できるだけ避けておきましょう。
ステップ4: コンテンツの作成と最適化
選定したビジュアル要素を使用して、目的とメッセージを効果的に伝えるコンテンツを作成します。
コンテンツを配信するプラットフォーム(Webサイト、ソーシャルメディア、広告など)に合わせて、ビジュアルコンテンツを最適化します。
例えば、「40代 女性」といった同じターゲットであっても、Instagram広告とGoogle広告では、効果の出るコンテンツが大きく異なる傾向にあります。
- Instagram:美容意識が高いユーザーが多いため、より洗練された、上質なイメージを喚起させる「理想のイメージ」的なビジュアルの方がウケやすい。
- Google広告:人に言えない、より深い悩みも検索されるため「シミやシワが目立っている画像」など、感情に訴えかけるビジュアルがの方がウケやすい。
※あくまで一例であり、商品やキャンペーン内容によっても変わります。
こういったプラットフォーム別での特性を分析しつつ、それぞれに見合ったコンテンツを作っていきます。
ステップ5: 分析と改善
ある程度、ビジュアルコンテンツを発信したら、継続して効果を測定します。
プロモーションの目的によって
- アクセス数
- エンゲージメント(インプレッション、クリック、いいね、返信、フォローなど)
- コンバージョン率(リスト獲得、製品の購入など)
といったKPI(目的を達成したかどうか?を測定するのに最も重要な指標)を設定します。
例えば、ブログであれば
- 「アクセス数」をKPIとして、SNSでシェアしやすいサムネイルに変えてみる。
- 「滞在時間」をKPIとして、記事内のインフォグラフィックを変えてみる。
- 「メルマガ読者の数」をKPIとして、CTA(コールトゥアクション)の画像を変えてみる。
といった対策を行います。
このように測定したデータを分析し、フィードバックを活用してビジュアルマーケティング戦略を常に改善し続ける必要があります。
以上が、ビジュアルマーケティングの5ステップでした。
まとめ:ビジュアルマーケティングを成功させるコツ
この記事を通じて、ビジュアルマーケティングが単なる「画像を使った発信」ではなく、ターゲットの心を捉え、メッセージを深く根付かせるための重要な戦略であることがお分かり頂けたはずです。
ビジュアルマーケティングが成功するかどうかは、画像の選択や色の使用、そしてそれらが伝えたいメッセージと、どのように結びつくかにかかっています。
初心者であっても、以下のポイントを意識することで、ビジュアルマーケティングを行うことが可能です。
- ターゲットの明確な理解: まずはターゲットのニーズや好みを把握することからスタートします。
- 目的とメッセージの明確化: 何を伝えたいのか、どのような行動を促したいのかをはっきりさせましょう。
- 適切なビジュアル要素の選択: 関連性のある高品質の画像や動画を選び、ブランドイメージに一貫性を持たせます。
- コンテンツの作成と最適化: プラットフォームごとにビジュアルコンテンツを最適化し、ターゲットに合わせたアプローチを取り入れます。
- 分析と改善: 効果測定を行い、必要に応じてビジュアルやメッセージを調整します。
ビジュアルマーケティングにおいては、少し画像を変えただけでターゲットの反応が大きく変わるため「試行錯誤」が重要です。
ターゲットのリアルな反応を見ながら、改善を繰り返し、最適な戦略を見つけ出す必要があります。
うまく活用できると、ビジュアルマーケティングはブランドストーリーを伝え、ターゲットとの深い関係を築くための強力なツールになります。
今回お伝えしたステップを実践し、ビジュアルマーケティングを最大限活用してくださいね。
Pinterestでビジュアルマーケティングを学びませんか?
【この記事を書いた人は・・・】
岩下 知史(イワシタ トモフミ)
Webマーケッター/スモールビジネスコンサルタント/企業研修講師
会社員時代に躁鬱病を経験〜独立後は物販・コーチング・ライティングで売上1,000万〜2,500万円のスモールビジネスを複数立ち上げ。 これまで1,000人以上の起業家、個人事業主に研修・コーチング・コンサルティングを提供する。
現在は主にスモールビジネスにおけるマーケティングを専門とし、ブログ「看護師のためのスモールビジネス講座」を運営中。
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